WHY NOTO?

October 22, 2021
石川県の能登から始まるtefutefuの新プロジェクト-能登半島の地図

日本文化の魅力を世界に発信するにあたり、tefutefuはプロジェクトのスタート地点として能登を選びました。


地形の恵みがもたらした土地の文化

石川県北部に位置する能登半島は、中央に能登島を抱え込み日本海に向かって突き出したような形をしています。この特徴的な地形が、独自の風土の発展のいしずえとなっています。
日本海の沖合いは暖流・寒流が交差することで多様な海洋生物のふるさととなり、海上の大気中では熱移動が発生することで大地に雨を降らせています。海と雨からの豊潤かつ適度な湿度で覆い尽くされた半島では、その土地独自の発酵文化を発達させてきました。米や魚を発酵させて作られる日本酒や「いしる」など郷土でうまれた食文化が今でも受け継がれ、さらに湿度で硬化する漆を原料にした「輪島漆」はその特徴的な生産背景とともに文化遺産として認定を受けています。
大自然が営みを繰り返した古代からの蓄積が、新たな産物となって現代に受け継がれているのです。


石川県能登半島の地図

自然と共生して育む「里海里山」

潤沢に養分を有した肥沃な土壌を持つ能登半島。その山林部では土着の林業によって自然と人間が共存し、ありのままでなく人間中心でもない農法で循環を形成しています。海を望む美しい棚田「千枚田」では独創的な農業形態が組まれ、海では定置網漁による無理のない手法で生物多様性を守っています。自然の回復力以上の負荷をかけない麗しいこれらの「里山里海」文化は2011年6月、日本で最初に世界農業遺産に認定されました。


世界のトップを魅了する禅の発祥

輪島市では曹洞宗の總持寺祖院が開創7百年を迎えます。曹洞宗の宗祖、道元禅師は禅の考えを広めた一人であり、石川県で生まれ育った哲学者・鈴木大拙の著書「禅と日本文化」(1938)がマインドフルネスの教科書として多くの人々をインスパイアし続けていることは、偶然ではないでしょう。自然に順応するという禅の教えは生き方の本質を問いかけ、生きとし生けるものに普遍で持続可能な思考のありかたを気づかせてくれます。

能登半島の輪島市にある千枚田と禅の発祥地である総持寺祖院

長い歴史を持つ日本には、古来からの区分や時代に沿って土地の名称が変容してきました。その昔「越のくに」と呼ばれていた現代の北陸地方の中部、石川県北部の総称である「能登」。その呼び名はもちろん、土着の文化や芸術は現代にしっかりと受け継がれてきたのです。その土地で育まれてきた魅力や日本由来のウェルビーイングなライフスタイルを、私たちの視点で紹介することができたらと思っています。

なぜ、能登?
その答えをぜひ見つけてみてください。




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